共振するハビトゥス

主観が9割

どうかお幸せに!!(おっさんずラブの話)

おっす!オラ春田のモンペ!

 

というわけでおっさんずラブ6話の最後数分から急激に春田に過保護になった者がお送りします。しかしなんというか春田…想像以上に図太かったな…。

先週の6話終了時点で何を心配していたかと言えば、牧くんがブッチ(※モンペ目線)して春田に別れを告げたことによって春田が傷ついておかしくなったらどうするんです??ということだったわけで。どうも牧くんは自分の感情を自覚するよりも先に行動に出てしまうタイプのようなので、ブッチ自体わからなくはなかった。ただ牧くんの行動は大体相手のリアクションを一切考慮してないので、やられた側は困る。特に春田は一旦受け入れちゃってから「え?なにいまの?」って考えるから余計に厄介。元々いろんな人の感情を引き寄せ、ぶつけられ、受け入れ、悶える人ではあったけども、どうする?これで春田が変わってしまったら。もとのバカでふわっふわして鈍感で、みたいな要素が欠けたら、私も耐えられんし牧くん君も耐えられんだろ?どうするどうしてくれる??と過保護全開で心配したわけですこの一週間。もう頼れるなら部長でもなんでも頼ってくれ誰か春田を支えてやってくれ。お願いだ。

 

そして今週、部長と同居してる春田。経緯を聞いてると部長と恋に落ちて同居した展開ではないよね…?どころかこの人傷ついてるのかね…?結局フラレて傷ついたことも自覚しないままここまできてない…?

まあそうなのか。とりあえず想定してた悪い事態にはなってないようで良かった。モンペ安心しました。

そして部長。あなたすごいな。

今までの部長の発言から「アイドルオタク的恋」をしてるのだと勝手に思っていたけど、想像もつかないほど大きな愛を持って春田に接してたことがやっとわかった。

フラッシュモブとか?相変わらずよくわからんこともあって完全には部長を理解できてないけど、春田であることはそのままに、でもその中で何かが1UPしたことは確かだった。この段階ではそれが何かは明確にわからなかったけど。

 

 

 

ってぐちゃぐちゃ考えられたのもここまでで、あるシーンで全て吹っ飛んでしまった。

 

部長との結婚式から駆け出して牧くんを追いかける春田。橋の上で牧くんを見つけて、道路を超えて、牧くんに駆け寄って。その姿は明らかに春田ではあるけれど、牧くんに対峙する春田は今までの「牧くんに甘えて頼って」な人間ではなく「牧くんを守る」顔になっていた。

好きとか恋とかよくわかんねえよ幸せって何なんだよ、とずっともがいてた春田が全部を自覚して「牧と幸せになる」「牧を幸せにする」意思を持った顔になっていた。

すごいなあ。1UPどころか5000UPはしてる。でも春田がここまで成長したのはきっと部長のおかげで。

たぶん私が春田のモンペだからなんですが、告白されるとかいろいろ外部から脅威にさらされてでも断れない春田を守ってほしいと牧くんに期待してた部分があった。でもドラマ前半のちょっと強気な牧くんだけではなくて、後半で「ああ牧くんも弱いんだな」と。このままの二人で一緒になったら、互いに依存した関係になってしまう。でも春田が成長したことで春田は自分で自分の弱さを補えるようになったし、牧くんに頼るばかりじゃなくて牧くんを支えられる人間になってきた。互いに頼りっきりの関係ではなくなったんですよね。それもこれも部長が春田を成長に導いたおかげなんだなと思うと、すごすぎて言葉が出ない。本当にありがとうございます、部長。

そしてそんな春田に牧くんは「僕なんかと一緒にいても幸せになれませんよ」とまたも自己卑下なことを言う。でもね、これは自己卑下じゃなくて春田を試したんだと思う。白いタキシードで牧くんを追いかけてきて、牧くんも「自分を選んでくれたのかも」と予想はついてるはずだけど安心できない。春田のことだから誰かに促されたりして、完全に自分の意思でここに来たわけじゃないかもしれない。だから「一緒にいても幸せになれませんよ」って、こんな僕みたいな自信のない人間と一緒でも本当にいいんですかって確かめて、お前がいいんだって春田の答えが欲しかったんだと思う。

牧くんは4話で春田の家を出ていこうとしたときも、わざわざ「ちずさんと幸せになってください」「武川さんのところに行きます」って完全に春田に自分を引き止めてもらおうとして誘導するようなことを言うときがあった。たぶん選べない春田にちゃんと自分を選んでほしいからなんだよね。でも、自分で誘って春田に自分を選ばせているから、春田が1人で決めて牧くんを選んだわけじゃないから、牧くんはいつも完全には安心できない。

だから春田が「結婚してくださぁぁい!!!!」って言ったとき、牧くんは心底驚いたと思う。今まで春田自身から牧くんを選んだことはなかったのに、誰からも誘導されることなく、春田が春田の意思で牧くんを選んだ。この期に及んでまだ春田の意思を確かめようとしてた牧くんにしてみれば、自分の想像を遥かに超えてて、思わず「うそ……」って漏れてしまったんだと思う。ほんとにこんなことあっていいの、って戸惑って、嬉しくて。

ほら。

春田に抱きしめられた牧くんの表情。

なんて幸せそうな顔なんだろう。

世界のどんな人が見ても祝福したくなるような、不純なものが一切ない、幸せしかない表情。

すごいなあ。現実でなくてフィクションだというのに。

こんなにも幸せで満ち溢れた表情…。

でもここで、これ、ほんとに見てしまっていいのか?ってふと我に返ってしまって、私はなんだか怖くなってしまった。

 

私自身が結婚式場でアルバイトをしてることもあって、カップルの幸せな表情はそれなりに見てきたつもりだった。だけど、今まで見たなかでダントツ牧くんが一番幸せな顔をしてた。

なんでだろうってずっと考えてたけど、やっぱり結婚式で見てるカップルの表情はあくまで「みんなに見せる幸せな顔」なんだなと。二人だけの間で見せる幸せな顔なんて、誰も知らない二人だけのもの。

だから牧くんの表情を見て、なんか震えてしまった。これ見せてもらっていいの?私なんかが見させてもらっても良いものなの?

 

完全に自分の話だけど。

私は結婚式場で働いていながら、何となくその場に没入できない感じを覚えていて。カップルのスピーチを聞いて感動する、みたいな体験がほとんどなかった。結婚する二人へのリアリティとかを感じることができなくて。もう絶対この仕事向いてないと思いつつここまで続けてきてしまって。

でも、牧くんの表情を見て少し気づけた。

誰も彼も結婚式が超絶ピークで幸せってわけではなくて。二人だけしかわからない幸せな瞬間が、二人の間でしか見せたことのないキラッキラした幸せな表情があって。私はその日常への想像力が全然働いてなかったし、想像しようとしてこなかったんだと。

嫉妬と羨望にまみれて考えるのやめてたけど、みんなすっごい幸せなんだ。いろいろ経験値低すぎてわからなかったよ!ほんとにもう!!

もうなんかみんな幸せになってほしい。みんなみーーんなみーーーーんな幸せになってほしいっっっ!!!!!!!!!!!!って、あのシーンのとき心の底から思えた。

そして私も牧くんの表情してみたい。むちゃくちゃ幸せになってみたい。

 

とりあえず翌日の結婚式のバイトでは人一倍大きな拍手をした。ポンコツだから仕事するので精一杯だけど、本当にお祝いしたかった。

何だかわからないけど、幸せになりたい人に幸せになってほしいと心から思った。

たぶん、ことあるごとに何度でも、私はあのシーンを見返す。幸せになりたいときも幸せになってほしいときも幸せにしたいときも、何度でもあのシーンを見返そう。 この感情を忘れないように何度でも。

 

 

 

 

 

ああ、牧と春田の結婚式見たいな。