共振するハビトゥス

主観が9割

ラスベガス出張で役立ったものたち

先日、初の海外ラスベガスに行ってきました。ない知識でかき集めたグッズで、現地で役立ったものをまとめておきます。

 

1.クレ・ド・ポー ボーテ ランジェットデマキアントヴィサージュ


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バズりコスメとして流行っていたのもあり、旅先でクレンジングは楽なほうが良かろうと購入。

使用感は拭き取った後も突っ張らず、肌がずっとモチモチしているので良さげ。何よりクレンジング後の洗顔がいらず、そのままスキンケアに入れるのが良い…! ただツルンとお化粧が落ちるわけではないので注意。

シートは50枚入ってるのだが、1枚あたりのシートが大きく、2週間程度の旅行では1パックが嵩張りすぎる。てか重い。こういうの、ジップロックに小分けとかできるんだろうか…。

 

2.デコルテ サンシェルター トーンアップCC


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旅前にめちゃくちゃ肌荒れしてしまい、カバーはしたいが現地でメイクに時間はかけられんと探した結果見つけたCCクリーム。値段がお手頃で、かつ日焼け止めからファンデまで1本でできるので良い。使用して肌が乾燥する感じもあまりしなかった(これはスキンケアの効果か?)。

 

3.POLA モイスティシモ トライアルセット


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フルスキンケアセットが揃ってて、旅行サイズで、かつ鬼保湿できるやつ何かないかな〜で探していたら見つけた。ローションと書かれているが実際はジェル状の化粧水と乳液、保湿クリームがセットになっている。肌の調子がピンピンになるとかはないが、実際これを使ってラスベガス現地も機内も乾燥したことがなかった。どころか常に肌に潤いがある感じ。

POLAのカウンターで買えないか探したけど、2店舗回ってもなかったのでネットで買ったほうが良さそう

 

4.RMK カラースティック


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チークとアイシャドウに使えるカラースティック。今年の春に買い、基本はブラシで塗って使っていたが、旅はこれ1本で勝負。使い方合ってるかは知らん

何となく目元と頬にポンポンして指で広げたら、なんかメイクした感出るので許してほしい。

 

5.ディオール アディクト リップスティック


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コロナ禍以降ずっっっとマスク生活だったため、さすがにアメリカでマスクしてる人はいないだろうと腹を括り久しぶりにリップを購入。なんか強くなりたかったのでDiorで

 

6.モルトンブラウン ピック&ミックス


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いつか使ってみたかったモルトンブラウン。ピック&ミックスはシャワージェルやボディーローションなどのトラベルサイズを3種類 or 6種類組み合わせて購入できるもので、今回はシャンコンとシャワージェルを購入。

シャワージェルを普段使うことないのだが、今回使ってびっくり。肌に出すと浴室中に広がるオレンジとベルガモットの香り、洗ったあとは1日中潤いが続く。何これすげぇ。特にラスベガス特有の街の匂いに鼻をヤラれた私は、現地でシャワーを浴びたときシャワージェルの香りにめちゃ救われた。

シャンコンはカモミールの香りで。日本で使うより、硬水地帯のラスベガスで使ったほうが髪の調子が良い気がしたけど気のせいかな。

できれば、今度買うときはアウトレットで買いたいが遠いんだよな…(小声) ちなみにラスベガスの最高級ホテルだと、アメニティがそもそもモルトンブラウンらしい。チックショー!!!

 

7.ラリン ボディソフレ


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ボディケアをモルトンブラウンで揃えても良かったのだが、なんかいろいろあって別で探すことに。丁度よいサイズ感で、かつお店の方に「オレンジ&ベルガモットにあう香り」のものをおすすめしてもらってこのボディソフレに落ち着いた。香りはピオニーガーデニアで、お風呂上がりに使うと花の香りが匂い立つ。保湿効果は微妙なので、保湿重視ならラリンでも別の保湿ラインのソフレを使ったほうが良さそう。

 

8.シャワーカーテン

え、シャワーカーテン? シャワーカーテンです。

ラスベガスのホテル、バスタブが存在しないし、シャワーヘッドは固定式。そして何より、シャワーブースのガラスの壁が半分までしかなく、デフォルトで空いてる。

なんでなん? 壁が半分しかなくてドアもないんやったら、シャワーのお湯出したら全部外出てしまうって、想像つかん? なあ、なんでなん?

てなわけで100均のシャワーカーテンをブース入口に貼り付けて使った。何よりも必須。

 

それでは皆様も良きベガスライフを。

史上空前の感動バカ映画 劇場版おっさんずラブ感想【ネタバレあり】

 

 

 

 

見てきましたよ。f:id:namikawani:20190824234219j:image

映画『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』公式サイト

 

 

正直、見る前怖かったんですよ。ただ予告時点でもうハチャメチャなのはわかったから、もうストーリーうんたらは期待せず、いわゆるとんでもないインド映画を観に行くようなテンションで臨みました。

 

結果。

ヤバかった。

想像を遥かに超えたバカ映画で、かつ何故かストーリーもちゃんとあった。何これ。

 

もし未見にも関わらずこのブログを覗いている方がいたら言いたいのですが、これはドラ○もんやク○ヨンしんちゃんが映画になったときと同じやつです。日常を過ごしている馴染みのキャラがなんだかおかしなことになり(でもそのキャラであることに変わりはない)、なぜか時空旅行したり宇宙に行ったりする。テ○朝得意の、というかテ○朝なアニメに飼いならされてそういうものになった、そういうパターンのやつです。これは日常ではありません。祭りです。祭りの映画なのです。頭のリミッターは全て外していけよ。

 

 

 

というわけでここからネタバレ全開でいきます。

 

 

① ストーリー編

 

予告を見て、「もうストーリーとかわからないほどめちゃくちゃな仕上がりかもしれない」と覚悟したものの、ちゃんとストーリーがありました。ありましたよ!!

 

注:なお、私は偏狭の春田モンペでして若干解釈が歪んでいる恐れがあります。気をつけてお読みください。

 

 

 

  • 二人の成長

 

牧くんは今回の映画で春田さんに向かって「はあ、もういいや」なる言葉を連発します。様々な場面で、様々な意図で発される言葉ですが、いずれにしろその後の会話を切る言葉です。その後自分が何か言葉を足したり、相手が釈明したりすることを許さない、コミュニケーションを拒む言葉。

このコミュニケーションを拒む場面、ドラマのときもありました。3話、武川さんを巡る牧くんの発言「まじデリカシー」も、ある意味これ以上説明する気はない意思が感じられますし、6話ラストのあのシーンも互いのコミュニケーション不足が決定的な要因だったのでは。ドラマ内での二人は、牧くんが春田さんに何か指摘し春田さんは何も言い返せなかったり、互いが話を聞かない場面もあったりして、矢印が一方的で互いにコミュニケーションとして成立しなかった展開が多かった。それが話の展開としてのものなのか、二人が恋人になりきらずルームシェアの関係であるぎこちなさから来るものかドラマでは判断がつかなかったのですが、この映画ではその課題をしっかり克服しようとしてました。

花火大会までの流れで、互いに伝えたいことを伝えられずすれ違う二人が、爆破という極限状態でまっすぐ向き合う。互いに伝えたいことをまっすぐ伝え、受け取って、考えて。伝え合い話し合う覚悟をもった二人なら、これから困難があったとしても逃げずに話し合って解決していくのだろうな、とこれまでを振り返りながら感慨深いものがありました。

 

  • 夢=将来

牧くんは「”いま”春田さんが好き」という衝動で春田さんにシャワーキスをした。

春田さんも「”いま”牧が好き」を自覚して牧くんにプロポーズした。

ドラマでは常に”いま”現在の感情を軸に行動してきた二人。そして互いに離れ、自分がこれから何をしていきたいのか、特に牧くんは自らのキャリア形成に関して深く考えることになったのでしょう。途中で夢や将来についてあまり考えていない春田さん(牧くんより年上)に苛立ちをぶつける牧くん。不安だったのだと思います。あの「一緒にいたい」という言葉は、春田さん自身がキャリアプランなど含め将来を考えて発した発言だったのか。親のことや子どものこと、同性で結ばれたカップルが直面する問題についてちゃんと考えているのかと(思えば、春田さんのお母さんの登場は”現状”で許しを得られていないことの暗示、牧くんのお父さんの登場は春田さんに将来を考えさせる示唆だったのだなと思います)。

爆破という極限状態におかれた中で、春田さんも自分の将来について考え牧くんと話をします。プロポーズしたときには考えていなかった、男どうしで結婚するってどういうことか。子どもはどうするのか。一生添い遂げられるのか。いまだけじゃなくて将来のことも考えて考えて、出した結論が「それでも牧と一緒にいたい」だった。

 

だから、最後牧くんはシンガポールへ行き、春田さんは営業所で仕事する描写が何だか好きなんです。互いが夢を実現しつつこれからも一緒に歩んでいくにはどうしたらいいのかたくさん話し合ったのだろうなと。性別に関わらず様々なキャリアを歩めるこの時代、自分もパートナーも仕事をしていきたいと思うなら、互いに転勤となったらどうするかなど考えることは山積しているはずです。その都度最善な方法は何か、二人で話し合っていくしかないのです。このラスト、働く選択をした二人のキャリア形成として妙にリアルだなと思いました。

 

 

 

 

② キャラクター編

五角関係とかいうキャッチコピーに散々踊らされたあの時を思いながら。

 

  • 春田創一

私、根っから春田さんが好きなんですが、この映画に関しては少し印象が違うんです。何が違和感なのかって、やっぱり「牧くんが第一」になったことだと思うんです。

ドラマでの春田さんは、部長にも牧くんにも、その他蝶子さんやいろんな人、とにかく目の前にいる人の好意や感情に全力で寄り添おうとしてしまい、ときにはそれでトラブルを起こしたり責められたり様々なことがありました。そのブレや揺れが苛々させることもあったかもしれませんが、その平等性みたいなものが私は大好きでした。と同時に、そんな人いる?とある意味人間を超越したようなところも感じていました。

でも徐々に、春田さん自身が自分の大切な、大切にしたい気持ちに気づいていく。その大事な気持ちが「牧が好き」ということ。

一方映画での春田さんは、牧くんを選んだ男の行動をしていました。もう部長から好かれても、迷うことなく「恋人がいるので」と断る。嫉妬もする。狸穴さんと対峙しても自分が受け入れればよいのではと考えてしまう自己犠牲的な一面はそのままですが、牧くんが第一だからこそです。その行動はある意味めちゃくちゃ人間らしい。これが大切な人を見つけた春田さんの変化。なんだか寂しさと嬉しさが入り混じりますが、良かったなあ、本当に良かったなあと心の底から思うのです。

 

  • 牧凌太

ストーリー編でも歪んだ解釈を書きましたが、牧くんはドラマ本編の中でも結構ブッチな行動を取ってると思っています。ドラマ内での数度の家出未遂、6話ラストの家出、そして映画内でも一度実家に戻ってしまいました。歪んでるのでブッチなどと表現してしまいましたが、牧くんは相手との関係性で不穏なものを感じ取ると「相手の元から去る」癖があるのだと思います。それは相手を想ってのことであり、またその状況に自分が耐えられなくなってのことでしょう。

映画内では、「春田さんが監禁される」という極限状態により、ドラマ版ラストの春田さんが牧くんを追いかける構図と逆の「牧くんが春田さんを救いに行く」構図となりました。牧くんが自ら春田さんのもとへ行く。そして炎に囲まれた中で、春田さんと向き合うのです。これまで何かあると向き合うことを避けてきた牧くんがこの究極の状態で、自分に足りないところ、そして一緒にいたい人は誰なのか真剣に向き合う。すごい変化だと思います。

 

  • 黒澤武蔵

拝啓、黒澤部長。本当に、あなたの存在が大きかった。本当にありがとうございました。

映画を観ていると、牧くんと春田さんの場面ではどうしても「ヒィ」と声が出てしまいます。どんなに愛おしい場面でも、字面だけ読んだら爆笑してしまいそうな場面でも、ただ「ヒィ」としか言えません。笑っていないのでもはやコメディかどうか怪しいです。もうなんだか笑ってみれない。ひたすら息を止めて、何か祈るような気持ちで、「ヒィ」。それしか出てこないんです。

でも部長。部長のシーンはどれもどうしようもないほど笑ってしまいダメです。自然と笑ってしまう。今回の部長は記憶喪失になってしまったりいろいろあったけれど、相変わらずの大きな愛でそこに立っていてくれましたね。部長という最強ヒロインの存在で、この作品をコメディとして楽しめています。本当にありがとう。

 

  • 山田正義

おっさんずラブという作品に、「神の啓示」的な登場人物に確実にインパクトを残す言葉を与えるキャラクターが出てくると思わなかったのでびっくりしました。花火大会のシーンは割と唐突でしたが、志尊さんのお芝居の説得力で胸打たれてしまい素直に受けとめられました。新キャラに志尊さんと沢村さんという配役自体今考えるとミスリードだなと思います。

映画の印象としては、春田さんが陽でジャスも陽のキャラだと思っていたら意外とジャスが陰だったので相性良いなと思いました。何を言ってるんでしょう。

 

  • 狸穴迅

サウナで誰よりも「良い体」だったの、いろんな意味で良くないと思います。

 

 

 

 

《シチュエーション編》

 

考えてみれば、ドラマのときから「壁ドンジェネレーター」なる企画が存在したり、「デコチュー」「うるさいので冷蔵庫ドンキス」など、いわゆる胸キュンなシーンが多発していた(自然な流れとかそういうのは演者の勢いと演技力と演出でねじ伏せられていた)。今回はどうか?

映画らしく「スケールアップ」しちゃいました。

 

 

▶春田の香港アクション

あ、割と唐突にアクションぶっこんでくるんすね〜〜と思った序盤の香港。おっさんずラブの世界に必然性も何もない。もうこの時点で「不動産」だの「恋愛」だのいろんなフィルターを外して見る映画なんだとわかる。車飛び越えるときの春田さんの足さばきがまさに春田ァ!という感じで中の人に大感謝でした。

あと香港の春田さんの部屋に牧くんがくるシーン。あの牧くん「もういいや」つって出てっちゃいましたが、牧くんは春田さんを想う女性に対しては強くいけないけど”男性”に対しては誰にも負けない自信があると思うんで、ベッドで寝てたあの男が牧くんを煽ろうものなら即座にキャットファイトだったんだろうなと想像しただけで萌えが止まりませんね。まあ実際、春田さんの特性(困ってる人を放っておけない)を理解しての「もういいや」だったと思うのでいいんですけど…。

 

きんぴらごぼう

すぐに元ネタはわかりましたが、それにしても、いやいや……まずいでしょ、観客気失いますよ??

公開前、おっさんずラブ公式ツイッターの企画でスペシャルPVなるものが公開されたじゃないですか。

これの23秒すぎたあたりの牧くんの表情、見ました? 目つき、目線の動かし方、完璧すぎる。無理。この動画寝る前に見たとき、もう本当に、中の人よぉ〜〜〜!!って叫びながら布団をゴロゴロしてました*1

と思ったら映画本編。なんとこのシーンの直後、「きんぴらごぼう

へ? き、きんぴら、ゴボウって、なに…?

このあたりから意識がありません。

 

ちなみに、その前のわんだほうでちずさんと牧くんがおしゃべりしてるとき、牧くんの「がむばろー♡」(幻でなければ本当にこの言い方だった)という言葉で一回召されたため、きんぴらごぼうももしかしたら幻かもしれない。幻聴かな?

 

▶サウナ

は〜好き。大好き。ここ、部長を見た瞬間の牧くんの目が狂犬なみにイッちゃうじゃないですか。ドラマ版牧くんは2話のキャットファイト以降、好戦的かと思いきやどんどん切なくなっていくので「どうしたんだよ牧くん…」と思ってたんですよ。そう、牧くんは元々好戦的でオスみの強い男。帰ってきたぜ、あの牧凌太が!!!(大歓喜

そういえば、あの3人が出演した徹子の部屋、田中さんを取りあう(?)林さんと吉田さんのやり取りが格闘技の「カリの達人」みたいに手慣れてて驚いたんですよ。

サウナ見て納得しました。そりゃ手慣れるわ。やり慣れてるもんな。

 

▶花火

互いに言いたくもないことを言い合って、どんどん涙目になっていく牧くんと春田さんがもういたたまれなくて目を背けそうだった。でもこれまで二人が真正面から言い合いしてるイメージって意外となくて、対等に言い合って喧嘩するのも関係性の変化なんだろうと思ったり。

 

▶爆破

春田さんが監禁されたあのとき、ああめちゃくちゃ春田さんっぽい…って思ったんですよね。二次創作を読んでてバチバチに解釈一致をみたのと同じような感動。

そこからいろんな人が救いに来て、これもツッコみだしたらきりがないです。でも、部長と牧くんが協力して救いにくるところ雲梯とかあったりめちゃくちゃコメディなのに、牧くんに言う部長の助言がこれまた部長…!って感じで本当に好きなんですね。この緩急こそおっさんずラブですね。

 

 

 

最後に

全体として、今回の映画大好きです。あのキャラクターたちが生きているところをまた見られた喜びも大きかったし、あのプロポーズのその後として何が起きうるのか描いてくれたところも含め、感謝しかないです。

またどこかでお会いできる日を、楽しみにしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:おっさんずラブのあと林遣都さんにどハマリし過去作巡りの旅に出た女のブログ

King&Princeの『Naughty Girl』見たら狂いました

 

 

当方嵐ファンなもので、キンプリの皆さんのことはバラエティで存じ上げる程度、重ねて歌のイメージは『シンデレラガール』の久々現れたど直球王子様アイドルといったイメージを持っていたんです。

 

そしたら。

これ何。

 

へいへいへいへいへいへいへいへいへい!!!!!!!

聞いてない!!!こんなグループだとは聞いてない……!!!!!

 

まずMVの一部をYouTubeで手軽に視聴できる環境も羨ましいけど、やはりダンスがすごい。「ダンスがやばいメンバーがいる」と聞いていたけど、デビューから1年で牙をむいた感じ。やはり只者の王子じゃなかった。アイドルポテンシャルエグい。


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またこの治安の悪い衣装が良い。「キミはシンデレラガール My precious one」が説得力を持たないレベル。


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特にこの金ネックレス。ダンスの迫力を増し増しにする最高に治安悪いアイテムです。

よく見るとジャケット着てっぽい神宮寺さんの足元は真っ赤なスニーカーだったり、治安のバランスが最高だな…。

 

そんなことを考えていたら先日、6月7日放送の少年倶楽部でNaughty girlが披露されたわけです…。

 


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衣装がMVのままや!!(歓喜

しかも2番までフル尺での放送。この番組すごい…。

 

フルで聞いてわかったんですが、そもそもこの曲日本語が英語に聞こえるように歌ってる部分が特徴的だなと思うんですよね。f:id:namikawani:20190622221633j:image

ここの「愛のワナ」も、曲中で聞くと日本語でなく「I」「know」「wanna」みたいに英語のように聞こえる。たぶん意図的ですよね。

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この岸くんが歌う「heart」とか、歌うときめちゃくちゃ意識して歌ってそうだ…。

 

それでまたダンスですよね。

1番のサビは平野さんセンターなんですが…

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圧倒的迫力。

5人のダンスが立体的に見える。

 

そして2番サビ、永瀬さんセンターは…f:id:namikawani:20190622222749j:image

品がすごい。

1番と2番、ほぼ同じ振りなのに表情がガラリと変わる。同じ曲なのか??


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そしてMVもそうだったけど、永瀬さんのジャケット裾捌きの余裕がすごい。余裕感となんか見下されてる感じ。いいぞもっとやれ。

 

あとめちゃくちゃ魅力的なのが5人の表情のつくり方だったんです。これテレビパフォーマンスならではだと思うんですが、ドアップになって表情や上半身の動きでしか曲を表現できないカットのとき、半端なく実力が出てる。



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画になりすぎ。こんな見下ろします??


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ここもリズムに合わせて動きをガッと止めてるから曲自体の緩急がより強調されてる感じ。


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ここもポジション移動の間だけど、後頭部を掻く手の動きで曲を表現してて手持ち無沙汰になることがない。振りなのかわからないけど、メンバー全員曲の間に手持ち無沙汰になってることがなくて魅せ方を熟知してる。

 


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なんかスクショしたら面白くなっちゃったけど実際の表情変化はカッコよかったのです。

 

そして大変に問題なのが……f:id:namikawani:20190622225059j:image
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高橋海人さん。そもそも「堕ちた王子」みたいなオーバーナポレオンジャケットを着てるだけで犯罪なんですが、このカットはすごい。

このスクショの嵐でお気づきかもしれませんが、この少年倶楽部どアップのカットが大好き。しかもよりによってこの高橋さんのどアップは2番サビ中に約9秒もあるのです。いくら顔が良くてもこの5人の中で9秒持たせるのは至難の業でしょう。しかし彼は…


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え???なんで一瞬顔歪ませたの?????

これめちゃくちゃアンニュイな表情しながらやってたのに、最後の一瞬だけ顔を歪ませるんですよ。端正な顔が歪んだら「なんで歪めたんだろう?」って考えちゃうじゃないですか。この顔の歪みがアクセントになって、9秒がただのどアップカットでなく物語を伴う余白があるように感じられる。なんじゃこりゃ。

 

この人たち、もともとダンスのポテンシャルもさることながら魅せ方が完成されすぎてる。無理。

 

 King & Prince(初回限定盤A)(Blu-ray付)

King & Prince(初回限定盤A)(Blu-ray付)

このNaughty Girlが収録されたアルバム、初回盤にMVに加え、定点固定ダンスMVとメンバーソロダンスが入ってるだと…??

福利厚生の充実にも程があるのでは???なんだこのグループ……怖い……。

 

唯一の悪いところは、シングルでなくアルバムの曲なので音楽番組の披露数が少ないことです。王子様イメージを持ってるこちら側を、今後そのポテンシャルでぶん殴ってきてほしい。私すでにボコボコにやられましたが、まだまだヤラれる覚悟はできてるぜ……。

 

 

 

どうやら推しが演じる「天使」が好きみたいです

 

 

何なのでしょう。私の性癖としてはサイコパスやら狂気的やらといった役を演じる推しが大好物のはずなのに、なぜか私の好きな役ランキング上位に入るのは「天使」な役ばかり。なんで「天使」を好きになってしまうんだろう。と思い考えてみました。

 

いや待て。そもそも天使な役ってなんですの??という皆さん、ごもっともです。天使はサイコパスほどもジャンルとして確立されていません。確立せんでいいけど。

とりあえず私が考える「天使」の条件はこちら。

 

1、なんかわからんがとにかく愛らしい

もうとにかく愛らしい。推しのフィルター抜きにしてもかわいい。天使タイプのだいたいは人類に愛されるべくして形作られた見た目をしている。そして純粋さなのかピュアさからくるのかわからんけど内面も愛らしい。逆に言うと、愛される宿命を背負っている。

 

2、生きがたさを抱えている

なにせ天使なので、なかなか人間社会に適応できない。そのためかいつも生きづらそうにしてるけど、天使なのでなんやかんやみんなに助けてもらったりするし、ニコニコして生きてる。いわゆるふつうの人間社会に生きている人とは違った視点を持つことが多く、周囲の人は天使によって新たな視点に気づいたりイライラしたりする。

 

ざっとこんなもんです。とはいえ、条件に少しくらい当てはまってなかろうが天使は天使です。あなたの天使はあなたの天使、私の天使は私の天使。

というわけで私が完全に独断と偏見で選んだ誇るべき天使の皆さんを紹介しましょう!ちなみに順番はランキングでもなければ、年代順でもありません、適当です!

 

 

 

① 春田創一(おっさんずラブf:id:namikawani:20190218173759j:image

はい。いきなりガチの推しキャラで申し訳ありません。春田さんです。

おそらく9割方牧くんのために地上に降りてきた天使。全人類平等に優しさを降り注ぐとんでもない天使性を持ち、いろんな人から愛されまくる。しかし、平等に優しさを降り注ごうとした結果、逆に他人を傷つけてしまうことも。「牧からも部長からも愛されなきゃいけない」と中の人が気合を入れたお芝居で見事な愛され天使に。

 

② 深山大翔(99.9ー刑事専門弁護士ー)f:id:namikawani:20190218181207j:image

相関図を一見しただけでは「ダジャレ好きの変人」に見える弁護士。しかし映像を見れば一発でわかる、彼は天使です。○話で「質問がある人は手を上げて!」と言われた深山が「はい!」と手を上げるシーン、もう5歳児と見紛うかわいさです。

変人と勘違いされがちだけど、弁護の際真実を見抜こうとする芯を強く持っている彼を周囲の登場人物とともに見守りたくなります。

 

山田太郎山田太郎ものがたりf:id:namikawani:20190220181648j:image

遡りましたね〜ということで山田太郎です。2007年放送だったのでもう12年経っている……!

容姿端麗で勉強もスポーツもできるけど、お家があまりにも貧乏という宿命を背負う。しかしながら本当に純粋なんだな……。それが金持ちの御村くんなどなど、様々な人に影響を与えていきます。

 

④黒澤涼(カラマーゾフの兄弟f:id:namikawani:20190221171753j:image

これも結構前の作品。有名な原作、『カラマーゾフの兄弟』に登場する三兄弟の三男ですね。

お金持ちの家に生まれ、かなり過酷な環境で育ったにも関わらず超純粋。作中で涼が傷つくたびに「彼を傷つける人、社会、許さん」とモンペが発動しそうになるのをぐっと堪えて鑑賞しましょう。当時演じた林さんが「普段もずっと優しくしてなくちゃいけない、澄んだ目をしていなきゃいけない」と臨んだこの役、地上に降り立ったのが間違いだと思うほどの天使具合です。

 

⑤佐治くん(デトロイト・メタル・シティf:id:namikawani:20190314175010j:image

高橋一生がタンバリン叩きながらライトなポップミュージックを歌う」という日本映画史に残る名シーンが見られますのでつべこべ言わず見て。

 

⑥D-roomの夫f:id:namikawani:20190221174151j:image

おなじみ、D-roomのCMに登場する夫です(役名何だろう……)。この髪のハネを見てもおわかりになりますようにただの天使です。

 

 

 

いかがでしたか? 皆さんの天使も良ければ教えてくださいね!

 

 

 

推しの活動休止に関して

 

 

あの日、私はスーパーでバイトしていて、タイムカードを切ってスマホを点けたとき、Yahooのポップアップ通知がそれを知らせたのでした。

 

「嵐、2020年で活動休止」

 

それを見た瞬間全てを悟り、私は一人で喜びのあまりガッツポーズしました。

意味がわからないと思いますが、もちろん活動休止に対して喜んだのではありません。大好きなグループが、あまりにも私の理想の「おわり」を迎えることが嬉しかったのです。

 

この数年、いろいろなことがありました。芸能界でも様々なことが起こりましたし、私自身もファンとして様々な心境の変化がありました。「好きなものを追った」だけなのに、それを煮詰めすぎて好きが呪いのようになったり、とかくファンとして推しを応援する姿勢について考えさせられた数年でした。

 

様々なことを感じて考えて、結果至った結論が「終わらないものはない」ということでした。永遠に続くものはない。それは推しも例外ではない。いつか何らかの形で終わりを迎える。そうしたときに、その終わりを受け入れられるファンでありたい。そう思うようになりました。

しかしそれを考えていくうち、ファンとしてエゴイスティックな願いも持つようになっていました。もし終わりを迎えるなら、ファンがそれを受けとめるだけの期間が欲しい。それに向けてとは言わずとも、ファンへのコンサートやイベントはやってほしい。それでなくても、あれだけの大きなプロジェクトが終わりを迎えるのなら、スポンサーとの兼ね合いやイベントを催すにしても準備の期間が必ず必要になる。だから、終わるなら終わりまでの時間が欲しい。

こんなことを考えて、私は母や友人に「嵐の理想のおわり方」について話しまくっていました。聞かされた人にとっては本当に迷惑な話だったと思うのですが、話すことで自分のなかに覚悟ができていったような気がします。そして何より、この理想を実現できるグループだと本気で信じていたので、もし終わるときは理想を叶えてほしいと願っていました。

 

そして発表を聞いて、あまりにも理想的で、そしてその理想をも上回る形だったので驚きました。ここまでずっと「おわり」と書いているように、私はもしグループに何かあったらそれは解散で完全におわりだろうと思っていたので、活動休止だったことにも驚きましたが、何より彼らがやはり奇跡的で、そしてあまりにも強かだったのでびっくりしたのです。

 

振り返ってみると、この決断から発表まですごいことだらけだなと思います。

まず、5人で活動休止に至ったことについて。もしこれがソロプロジェクトなら、トップは1人ですからそのトップの意思次第でプロジェクトはどうにでもなります。しかし5人も同じ立場の人間がいて、「辞めたい」「続けたい」という意思が5人で揃うはずもなく、そもそも綺麗に休止に落ち着くこと自体が奇跡的なんだと改めて思い知らされました。

過去のインタビューなどを見る限り、メンバーの考えに「引き際の美学」があるのではないかと思うことは何度もありました(だからこそいつかおわりを迎えるのだろうと思っていましたし、理想のおわりを迎えてくれるだろうと期待していたところもありました)。しかし、もしおわるなら、あれだけの影響力を持つグループが引き際として何を契機におわるのか、外部の人間はもちろん、メンバーであってもわからないでしょう。「このタイミングで活動に区切りをつけるべきだ、なぜなら」という根拠を示すことは難しいはずです。しかし、それ以外の形であれば「方向性の違い」や「仲違い」などネガティブな結論しかありません。

それを、最終的に「大野さんの提案で」活動休止に至ったのは本当に奇跡的というか、あまりにも嵐らしくてどうすれば良いかわかりませんでした。考えうる限りでも、最も前向きで、かつ休止という決断に至るには「嵐として」十分な、最強の理由ではないかと思ったのです。

 

そして、発表後。案の定様々な情報が飛び交いました。ファンにとっては最高にネガティブな瞬間ですし、最も動揺するタイミングで怪しい情報であっても自分の信じたいように信じてしまいそうになります。しかし、彼らは会見の瞬間から最大限に求心力を高めたパフォーマンスをしていると感じます。外野からどんな攻撃をされても全て跳ね返すだけの準備とそれぞれの武器を持って現れ、「信じるべくは自分たちの言葉だけ」と発信し、ファンのバラバラになりそうな心をできる限り一つにまとめ前に進んでいく(しかし、あくまで応援するファン自身のスタンスはこちらに任せながら)。歌番組でもバラエティでも、彼らの発信する言葉の力を常に実感します。休止に至るまでの理由にしろ今後の活動のスタンスにしろ、彼らを信じることができなければとても前向きにはなれませんが、今の彼らを見て「とにかくついていくのだ」という気持ちになるのはすごいことだなと思います。というより、発表から2年後までの間、彼らがやりたいこと、実現したいことを余すことなく見届けるためには、必死に彼らについていくしかないのですが。

 

こんなことを現段階で記すあたり、私のなかでは彼らがこうした判断をした時点で一定の整理はついているのかもしれません。永遠はない、という認識が想像以上に自分のなかで受けとめられていたのだろうと思います。しかし、嵐を好きになり、好きになったことが自らのアイデンティティの形成にまで関わっているという人は少なからずいるはずで、そして私もその一人で。だからこそ彼らがいなくなることは本当に大きいことなのです。しかし、こうした契機がなければ、好きなものが自分にとってどんな存在か、どれほど大きいものだったのかなんて考えることもないわけで、2020年末まで私はずっと彼らがどんな存在だったのか考え続けることになるのだと思います。そして実際にそのときを迎えたら、彼らがいない2021年以降をどう過ごすのか、正直想像もつきません。しかし、そんな未来を見据えながらも必死に彼らについていくことしかできないのです。

クラッシャー女中 2度目の正直

 

 

 

クラッシャー女中、まさか行けると思わなかったのですが、当日券を手にして2度目の観劇に行ってきました。同じ作品を2度見たのは初体験なのでドキドキ、しかも観劇前に悲劇喜劇で元のシナリオを読んだので事前準備も完璧です。

前回同様ネタバレもアリでまいります。

 

 

観劇して驚きました、こんなにも1度目と2度目で感じることが違うものか、と。

まずシナリオを読んだ効果、これは絶大でした。この作品の特性上初見ではわからなかったシーンの意味が解けていくような、そんな感覚。「この台詞はあとで効いてくるのか〜」など始終ニヤニヤしていました。そして、活字で書かれていた台詞が口頭で語られる感じが大変ゾクゾクします…! 特に冒頭のゆみこと義則の登場シーン。シナリオ上では「…」などの余白もなく、短い文の会話が連なるので、ポンポン良いテンポで読み進めてしまいがちなんですが……本編ではセリフの間合いが効いた印象的なシーンに。すごい。

途中、義則や静香など登場人物が大きい声を出す(または声を荒げる)シーンでも、シナリオでは「!」とか記号がついていない限り平坦に読んでしまうんですね。それがリズムと抑揚をつけて立ち上がってくると全然違う。演者さんと演出の力はすごい。

 

また、笑うポイントも印象的でした。1回目の観劇と今回ではお客さんの反応、特に笑いが起こる箇所が全く違いました。これは演出や演技が少しずつ変化しているからなのか私にはわからなかったのですが、何度も観劇を重ねたお客さんや初見のお客さんが混じってきた中でその日のお客さんによって反応が違うんだろうなと思いました。

シナリオの点でも笑うポイントに関しては面白くて、シナリオを読んでいて笑うところでもないと思っていた箇所で笑いが起きたり、逆にシナリオで面白いと感じた箇所がスルーされたり。間合いなのか何なのか、言葉の意味や感情がスッと入り込んでくるセリフもあればそうでないセリフもあって、ただ聞き逃してセリフがわからなくなっていたのではないのだなと2度目にして謎の確信を得ました。

 

そして前回、とある事情により義則に感情移入することができなかったのですが(なお大した理由ではない)、今回はそんな事情も一切忘れて素直に義則に感情移入することができました。はあ〜2度目行って良かった。

前回は席の位置の関係で、あまり細かい表情などは見えていませんでした。でも今回はよく表情も見え、細かい感情の機微が伺えたことが功を奏したのかもしれません。

才能豊かな父を持ち、両親から「何かしら才能を持っているはず」と期待されて育てられた義則。しかし当の義則は何でもこなせるけど秀でた才能を持っていたわけではなかった。その環境に反抗できるわけでもなく、かと言って開き直って甘えきることもできず、やりようのない感情を他人やいろいろなものに向けて発露することしかできない。

たぶん、義則は普通に愛されたかったのだろうなと思います。でも、愛を求めれば求めるほど、母も、周囲の人もどんどん狂っていってしまう。

そんな中で現れた静香という存在は、義則にとって本当に運命的で、特別だったのだろうと思います。義則が初めて静香を見つけるシーンで、義則が漏らす「嘘でしょ……」という言葉は、本当に運命的な人が現れるなんてという感嘆の他に、なんだかとても切ない響きを感じてしまい胸が苦しくなりました。

しかし、後に静香は、義則に復讐をするために義則の運命の人のフリをして近づいたノエルという女性だったことが判明します。そのときの義則の表情……。「復讐したいなら直接しにくれば良かったんじゃない?!」「僕は運命の人だって思っちゃったのに……」つらい。やっと、愛して愛される運命の相手を見つけたと思ったのに。もう見てるこっちがつらい。

その後、母が狂ってしまったのも、婚約者のフリをしたノエルが近づいたのも、全ては「義則を愛している」ゆみ子が仕掛けていたことが判明します。やっと愛してくれる女性が現れたけど、このゆみ子のせいで周りはどんどんクラッシュしているわけで。しかも、ゆみ子は義則にかけられたある言葉をきっかけにずっと義則を追い続けていたので、どう転んでも全ての原因は義則なのです。もうどうしたらいいのでしょう。つらい。終盤、義則に対する印象を登場人物たちが暴露していくくだりは、聞いていてこっちがつらくなってきました。そんなに言わなくてもいいじゃん……。うう。

 

というわけで、前回達成できなかった「義則に感情移入する」を達成することができまして、非常に満足しております。ありがとう、ありがとう。最後に、4列目という素晴らしい席に座ったらキャストの皆さんの声が全身に響いてきて「あ……全身……全身声に包まれている……」ととても幸せでした。楽しかったなぁ!

『クラッシャー女中』 感想【ネタバレすごい】

 

 

 

3月28日、『クラッシャー女中』本多劇場で観劇してきました。メモがてらちょこちょこ書き記したいと思います。

 

≪観劇前≫
一応就活中だもんで、会社説明会を2件済ませてからの下北沢入りとなりました。しかもすぐにミスドに入ってエントリシートを書いていたので、18時半頃にふらふらしながら劇場入りをしたわけです。いやそれにしても……

「下北沢、濃っ!!!!」

20年ちょい生きてきて初めて下北沢に降り立ちましたが、すんごい場所ですね。特に歩き回ったわけでもないんですが、ケバブのにおい立ち込める商店街とか、パチンコ・スーパー・小劇場の並びとか、カルチャーショックでさらにくらくらしました。スナックみたいな看板で「小劇場」って書いてあったからスナックかと思ったらまじで小劇場だったり、すげえ。ここが演劇の街、下北沢か……という。
本多劇場も入り口がわからず1階の店に突っ込んでいったら、本当に劇場の下にある店なのか…?と思うほどのジャンキーな感じで、もう観劇前からHPが3くらいになりました。せたパブや新国立だけが劇場じゃないんだぜと頭ぶん殴られた感じ。すいませんでした。


≪いざ観劇≫
席は後ろから2列目の一番端、とはいえ席の配置上後ろに席はありません。席自体に大きな期待はしていなかったんですが、座ってみるとびっくり、席のすぐ横が壁なんですね。私電車のロングシートの端っこの席(片側に壁があるタイプ)が大好きなんですが、まさにその席のように二方を壁に囲まれている状態ですごく落ち着く席でした。ノンストレス。
席の遠さとしては、表情の細かい部分見えませんが「本人が生で芝居をしている」のは感じられる距離で大変有り難かったです。席の傾斜もきつすぎず良い環境でした。あと椅子も個人的に好きだった…。
前置きが長すぎました。本編です。

(大変恐縮なんですが、大いなる金欠によりパンフレットを購入できず役名などの漢字を把握できておりません。そのため、一部役名表記を諦め演者さんのお名前で表記したりします。不快な方いらっしゃったら申し訳ありません。)

物語の導入部分。舞台上に趣里さん、田村さん、根本さんの三人が出てきて、舞台上の椅子や散らかったものを片付けつつ雑談するところから始まります。その雑談の段階ではまだ互いを「趣里ちゃん」とか呼んでNetflixの話などしてるので、まじで前説の雑談かと思ってたんですよね……。これちゃんと脚本あったんですね……。すごいリラックスしてたし客席もみんなパンフとか読み始める勢いだったから気づかなかったぜバカじゃん私……。でもほんとに普通の雑談かと思うくらい、自然なやりとりだった…はず……。
で、この雑談のとき根本さんが観客に向かって呼びかけをするんです。「あ、まだこの3人が出てるときは始まってないんで…」「あの、全然リラックスしていただいて大丈夫なんで」「今のうちに携帯の電源だけは切っておいてくださいね」みたいな。その呼びかけのなかで、「お二人が出てきたら、始まりますので…」というんですが、その時点で何となく「主役の人気を逆手に取られてるぞ……」というのは感じました。
そして、佐藤真弓さん演じるベテランぽい女中が登場します。このキャラはナレーションのような語り手になったり、物語の中で第三者的視点になったりと面白いんですが、こんなキャラどっかで見たことあるなあと思ったらおそらく熱帯樹の信子です。こういう観客の視点を顕在化するキャラってやっぱいるんだなあと思いつつ、この女中さんは喋ることが面白いんですね。「こういった手法は演劇でよく取られる手法ですが…」とかちょい暗転した時に観客に説明しちゃう。わざわざ。この語りも、物語終盤のいわば「サビ」に向かうにつれ少なくなります。前説のような3人の会話から、徐々に徐々に観客を物語に没頭させるようなつくりです。親切設計ですね。誰のため?
そして麻生さんと中村さんが登場して物語が始まるわけですが。このとき、中村さんの役名が「義則」って名前なんですよね…。一般だと義則って名前はどんなイメージなんでしょう? 私は一番最初に中学の担任を思い出します。うん、ほかの方には全く関係ない話ですけども、その担任「ヨシノリ」は私の学生時代良い意味でも悪い意味でも最も印象深い先生でして、ニュース番組とかで偶然出てきた一般の人が「ヨシノリ」って名前だっただけでも担任の顔が浮かんでくるんですよ。何が言いたいかというと、中村さんが「義則ちゃん」とか呼ばれるたびに担任の顔が浮かんでしまうのであんまり感情移入というか、集中できてなかったです。私ももうちょい集中したかったよ?! 外部要因がね???? ていうか、義則は普通の名前なのにカカオとかいう役もあったし、どポップな日本ぽくないセットなのに「港区白金」とかど日本の固有名詞が出てきたり、ずるいんだよなあ!
というわけで気負わず、もう見たいところをみることにしました。おかげで「今の中村さんの顔見たい…!(双眼鏡で見る)あ、セリフ聞き逃した」みたいな超へたくそな見方になってしまいましたがすべてあの担任のせいです。はい。
もう全然本題に入れない。中村さんに関して。いやあもう舞台人の発声だ~背筋がゾクゾクするぅ~がずっと続いてました。人間、喋る向きが変われば少し声のトーンが変化して聞こえたり音が小さく聞こえたりするもんですが、発声がしっかりしてるとそんなこと全然ないんだなと改めて。トーンが抑えめでも声を荒げても、真ん中に一本芯が通った声が届いてくる。というか、今回の演者さんはみんな発声がすごくて、もう何の不安もなく身を任せられました。テンポの良いやり取りもぽんぽこ進んでいって「あああ、演劇を見ている~」という感慨。
中村さんが「やばい」と言っていた田村さんもすごかった。ほしいタイミングでほしいテンションのほしいトーンのセリフが来てブワァ~ってなる。途中のシーンで、普通にやったら絶対感情移入できないだろうってシーンがあったんですが、ああそのテンションでこられたら納得せざるを得ない、というか愛さざるをえないよな……という部分があり、やられたなと思いました。すごい。
物語はどんどこ進み、義則の周囲の人間が続々クラッシュしていく中(婚約者が自分に復讐しようとしていた、根本さん演じる女中に秘密を暴露される、などなど幾多のクラッシュが起きている)、麻生さん演じるゆみこが義則にこう言うわけです。「何年もかけてこの状況をつくろうとしてきたの!あなたが弱ったタイミングであなたに手を差し伸べたかったの!さあ!」ゆみこは義則に手を差し伸べます(比喩でなく、まじで手を差し伸べます)。このクラッシュした状況は全てゆみこの画策で生み出されたものだったのです。当然義則は気持ち悪いので拒否反応を示すわけですが、長年義則に対し思いをためこんできたゆみこは止まらない。「大好き」な義則の姿を語り続ける。その「大好き」な義則の姿を保つためなら、どんなことだってやってきたゆみこ。徐々に空虚になっていくゆみこと義則のやりとり。でも最後、ゆみこは義則の血液型が何型かわからなかった。義則の血液型は、ゆみこの理想の通りには変えられない。
あーあ、ファンじゃん。
ここで悟った。「ああ、完全にこちらに向けられた物語だったか」と。
なんだか、こちらの思惑をすべて読んだうえで全部逆手に取られた感じ。中村さんが見たいというファンが多いこと、結果客層が変わるだろうこと、あまり演劇になじみのないお客さんが増えるだろうこと。中村さんが登場したときの客席の反応とか?いろいろ読まれたうえでの話だったのかなあと。ここらへんは最近よく考えていたことでもあったので痛い話です。
先日、いろいろ調べていたら面白い用語集サイトを発見しました。

商業演劇という用語の意味について。

商業演劇は、ほとんどが興行会社の主催によって大劇場で公演が行われ、
多くのお客様を呼ぶことができる、スターが主役を務めるのが特徴です。
上演されるのは、肩の凝らない大衆的な作品が多く、
演目ではなく、主役ありきで公演が企図されることがほとんどです。

また、公演時間が3時間程と長いことが多く、
幕間に1時間近い休憩(または複数回の休憩)が取られるのも、商業演劇ならではと言えます。
これは、近隣の飲食店での食事や、お弁当付きパッケージで観劇に訪れる
遠方からの団体客や年配のお客様が多いためで、
お芝居だけでなく、食事などもセットで楽しみに訪れる方が多いようですね。

このように「商業演劇」は基本的に興行形態で分類する言葉のため、
大衆演劇をはじめ、一部の歌舞伎やミュージカルなど、
大劇場で上演される公演は商業演劇と見なされることもあります。
厳密な区分けがあるわけではありませんが、
文化的・芸術的に優れた作品を創るということを主目的とせず、
大衆に人気のある俳優を起用し、お客様を楽しませることに主眼を置いた公演が
商業演劇」である、と捉えれば良いのではないかと思います。


スターが主演で、スターを観にお客さんが集まって、そんな公演で演者にアテ書きした物語としては、なんか皮肉だなあと思いました。皮肉というよりは挑戦でしょうか。そういえば、この公演は休憩時間がありませんね。

下北沢という土地で、この舞台が見られたことがすごく刺激的でした。とはいえ記しましたとおり集中力がガバガバでしたので、いろいろ聞き逃して全然違うものを見てたかもしれませんから、こんな感想信用しないでくださいね。最後に、何度もやる余裕を与えないカーテンコールが潔くて大好きでした。この話はのちのブログにも書こうかと思います。

カンパニーのみなさんが最後までこの公演を走り抜けられますように!